仕事で一緒になったり、何かしらの繋がりで知り合った人の中に、ものすごい仕事の早い人がいます。
仕事が早いというのは、タイピングが滅茶苦茶速いとか、作業スピードが尋常じゃないとかではなくて、求められる一定の成果を出すまでが早い人です。

そういうタイプの人に聞いていると、だいたい仮説を立てて進めています。
頭が良くて、根気もあるような人たちなので、猛烈に高速で積み上げてるのかと思いきや全然違っていて、完璧主義者でもないようです。

そんな人達がやっている仮説思考について。

<目次>
・仮説思考とは
・仮説思考のメリット
・仮説を立てる
・仮説の立て方
・仮説を検証する

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●仮説思考とは

仮説とは、今の所検証も証明もされていないが、最も答えに近いであろう説です。
問題の定義の場合もあれば、解決策の場合もあります。

ようは、おそらくこうなるだろうとか、こういう課題があるのだろうみたいな話です。

スピード感を持って、問題を発見し、解決していかないといけない場面で、仮説を使った仮説思考が有効とされています。

この仮説は、手元にある少ない情報をもとに、それまでの文脈なんかから直感的に立てていくことも多いです。
その直感は、けして突飛な思いつきではなく、それまでの思考の積み上げの結果です。

将棋の羽生善治さんの言葉にも、「直感の7割は正しい」というのがありますが、判断のプロ中のプロみたいな棋士の方々も仮説思考で動いているようです。

●仮説思考のメリット

仮説思考で物事を進めると、仕事が早くなり、なおかつ精度が上がります。

仕事に限った話ではないですが、何をするにも通常時間に限りがありますよね。
そんなときに、考えられる原因をすべて探り、あらゆる解決策にあたっていては、時間切れで結局何にもなりません。

仮説思考で答えから攻めると、格段に早く、最善の答えにたどり着くことができます。

仮説思考の逆サイドには、網羅思考があります。
網羅的な思考で進めると、考えうる様々な角度から、調査を行い、調査結果を分析するようなことなるので、情報のコレクションは増えるが、いざ全体像が見え、深堀りする頃には、結局時間切れで結論がでないなんてことになりがちで、チームなんかだと答えを出さないわけにいかないのでエイヤーでやってしまったりします。

仮説思考の直接的なメリットというより、結果的なメリットになりますが、積み上げ系の網羅的な思考だとどうしても批判的になりがちです。
ここでいう批判は建設的でない批判のことです。
チームで検討していたりする場合に起こりがちで、しかもどちからというと頭の良い真面目なメンバーが集まるとよく起こります。
指摘している本人には悪気はないのですが、網羅的に考えようとして、結論が出ない批判を繰り返し、結果、成果が出なかったり、最悪時間切れになります。

また、仮説を立てれば当然検証するわけですから、このプロセスを繰り返すことで、どんどん精度も高まっていきます。

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●仮説を立てる

仮設は大きく2つに分けて、問題発見の仮設と問題解決の仮設の2つがあります。

課題や問題がはじめから明確な場合は、そう多くないと思います。
なので、問題の発見から始めることになるでしょう。
まずは問題を特定しないことには、抜本的に解決につながりません。

問題の定義がスタートから大きくずれてしまっては元も子もないので、非常に大切です。
問題発見の仮説を立てて、それぞれを検証し、優先順位をつけます。

優先度の最も高い課題から、次に問題解決のための仮説を立てていきます。
そして仮説の検証をし、施策の精度を高めていくわけです。

もちろん、途中で一部の仮設が不要と実証されたり、仮設が間違えていたりしたら、その都度修正すればいいし、枝葉にとらわれず、中心的な問題と小さな問題を混同せずに、全体像を捉えることが大切です。

この、問題発見の仮説→問題の絞り込み→問題解決の仮説→解決策の絞り込みのプロセスを繰り返すことで、仮説も進化し、全体の構造が見えてきます。

仮説を立て検証する過程で、構造化していき、全体を見渡した上でストーリーを作ることで、より人にも伝わりやすいものとなっていきます。

仮説を立てる方法ですが、手元にある情報から仮説を立てるようにしましょう。
仮設を建てるために、新たに調査をしたりして、時間をたっぷりかけていると本末転倒ですからね。

なにより、情報も多すぎると意思決定に時間かかるので、捨てることが大事です。

さきほども取り上げた羽生善治さんも、情報が増えることが正しい判断につながらず、逆に思考の迷路にハマってしまうらしいです。

仮説の立て方

仮説の立て方を考える前に、良い仮設を定義しておくと、

・掘り下げられていること
・アクションに結びつくこと

この2つが達成されている仮説がいい仮説だと思います。

仮説の立て方には、決まった方法はありません。
主な考え方としては、
・分析結果から仮説を立てる
・アンケートやインタビューから仮説を立てる
・基礎情報をもとにじっくり考えて仮説を立てる
みたいな感じです。

いずれにせよ、良い仮説を構造化して組み立てることが大切です。

そうすれば、発見にいたるスピードも早くなる他、検証もスムーズに進められます。

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●仮説を検証する

ここまでくれば、あとは仮説が正しいのか検証するのみです。

論点を構造化して、優先度の高いものから検証しましょう。

検証方法は、

・実証実験(テストマーケティング)
・議論(アンケートやヒアリング)
・分析

があります。

実証実験ができればよいのですが、できない場合もありますよね。
例えば、契約体系も含めた構造の見直しとか、そう簡単に実験できません。
そういう場合は、議論を積み重ねて答えを出すか分析によって検証します。
 
代表的な分析方法は、以下のとおりです。

・比較差異分析
・時間軸分析(時系列)
・分布の分析
・因数分解(例えば、売上の要素を分解して得する方法)

それぞれの手法については、色々な書籍で書かれていたりします。

こうして、絞り込んだ答えはかなり精度も上がっていますし、なによりスピードが格段に上がるので、おすすめです。

いろいろな方法論のなかでも取り入れやすいものなので、ぜひ!