どのタイミングでも、自分の投資目的にあった銘柄をしっかりと選ぶことは大切です。
それでも、より魅力的な商品が後から出てきたり、選んだ商品がいまいちだったりすることは起こり得ます。

そんな時、積立NISAではどのように対応するのか?そもそもできのか?について説明します。

<目次>
1.つみたてNISAで銘柄の途中変更はできるのか?
2.つみたてNISAでの銘柄の変更方法
 2-1.スイッチングは可能?
 2-2.銘柄の変更方法
3つみたてNISA 銘柄変更時の注意点

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1.つみたてNISAで銘柄の途中変更はできるのか?

結論からいうと、途中で変更できます。

ただし、つみたてNISAの制度ならではの注意点や方法があるので、その点は注意が必要です。
後段で順に説明します。

つみたてNISAに限らず、あまりに頻繁な銘柄変更は得策ではありません。
ノーロードの商品もありますが、販売や解約時に手数料がかかる投資信託の方が多いですから、回転売買をくり返せばどんどん手数料に首を締められます。

つみたてNISAはなんといっても税務メリットが目玉ですから、むやみな乗り換えによる売却は、制度が用意したメリットを放棄することにもなりますし、今一度、つみたてNISAによる投資目的を考え直すことが、何にも増して大切かもしれません。

2.つみたてNISAでの銘柄の変更方法

つみたてNISAでにおいても、銘柄の変更は可能ですが、具体的にどうのように行うのかを見ていきます。

2-1.スイッチングは可能?

「スイッチング」とは、広義では投資信託を売却して別の投資信託を買うことを意味します。
保有している商品を売却して、新たな商品を購入し、資産の中身を入れ替えるので、スイッチです。

iDeCoなどの制度内で投資信託を売却し、別の投資信託を買うことを意味することが一般的にスイッチングと聞いてイメージされるものです。
制度内で商品を切り替えるため、税金がかからないなどのメリットを享受できます。

では、つみたてNISAにおいてはスイッチングができるか?

つみたてNISAではスイッチングはできません。

当然ながら、何か便利な銘柄変更のための制度や特典の類は一切なく、iDeCoのような投資信託の売却代金に課税されることなく、他の投資信託に資産を預け替えるといったことはできません。

アセットアロケーションの観点から、スイッチングを行って投資信託のポートフォリオを、その時々の投資方針の変更やリスク許容度の変化に対応する形で見直せないのはデメリットではあります。

ただ、つみたてNISAでが20年間という長期投資に焦点をあてた制度なわけですから、不用意な売買の繰り返しによる手数料負けを避けて、長期的な資産形成を促し税務メリットを与えることからすると、スイッチングができないことは理にかなっているとも言えます。

2-2.銘柄の変更方法

スイッチンができないのであれば、どうやって途中で銘柄を変更すればよいのか?

つみたてNISAで銘柄を変更する方法としては、以下の2つの方法があげられます。

①これまで積立た商品を売却して、次回から新たな商品での積立を開始する。
②これまで積立た商品の追加の購入だけやめて売却はせずに、新たな商品での積立を開始する。

①これまで積立た商品を売却して、次回から新たな商品での積立を開始する。

どうしても保有している銘柄に将来性を感じられず、気に入らない場合は、売却するしかありません。

ただし、一度売ってしまうとすでに使用した非課税枠は回復しません。
20年間の残りの非課税投資期間については、残りの非課税枠での積立しかできないため、基本的にはあまりお得な方法ではありません。

つみたてNISAでは、売却時に損失が出ているとなんのメリットもないため、少なくとも相場が下落している時期は避けるのがベターです。

銘柄の変更よりも、なんらかのライフイベント(子供が進学するとか)で売却が必要になるケースもあります。
そんな時は、なるべく数年前から計画的に売却時期を見極め、複数回に分けて売却するのが良い方法です。

考えられるケースとしては、新たに積み立てる資金余力が直近でない場合は、あえて長期のメリットは捨てて、売却益が非課税となるメリットを享受して、投資資金を目的の商品に集約するもの一つのてではあります。

やや話がそれましたが、積立NISAのメリットをフルに活かしたいを前提にすれば、銘柄を切り替えたい場合は、①の一度売却してから新たな銘柄の買付を開始する方法よりも、②の方法がおすすめです。

②これまで積立た商品の追加の購入だけやめて売却はせずに、新たな商品での積立を開始する。

20年間の非課税枠をフルに利用して、利益を最大化するには可能な限り切り替えないのがベストです。

しかし、あまりに成績不振な商品であるとか、同じ内容の商品が圧倒的に安い手数料で出た場合などは、切り替えたくなると思います。

その場合は、これまで積立た商品の新規での追加の積立は停止して(0円にして)、つみたてたい新たな銘柄での積立を開始しましょう。

そうすれば、少なくとも非課税枠はきっちりと使えます。

ちなみに、手数料(信託報酬)の差による銘柄の切り替えでメリットがあるのは、つみたてNISAでの投資期間の初期の段階でかつ、0.2%以上くらいのそれなりの差がないと効果が出ません。

乗り換え時に発生する追加コストも含めて、おおよその運用利回りで簡単にでもいいので一度計算してみてください。

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つみたてNISA 銘柄変更時の注意点

簡単にここまでの内容をまとめると、

・つみたてNISAでは、運用途中で積み立てている銘柄を変更できる。ただし、iDeCoのスイッチングのような、有利な変更制度はない。
・積み立てる銘柄を変更した後も、もともと積立た商品は運用しつづけるのが得策。
・ライフイベント等での売却時には、事前に計画する。
・下落相場での売却は、なるべく避けて、複数回に分けて行う。
・わずかな信託報酬の変動などでの頻繁な銘柄変更は避ける。
・目先の運用成績だけで目移りせず、長期的な目的を思い出して考える。