健康な生活を送る上でも、トレーニングの効果を高める意味でも大切なミネラルの一つである亜鉛。
意外と注目されていない感もありますが、風邪にも有効だとかこれからの季節にぴったりの効果があるので紹介します。
<目次>
1.亜鉛の効果
1-1.亜鉛とは?
1-2.不足するとどうなるか
1-3.日常生活における効果
1-4.トレーニングにおける効果
2.亜鉛の摂取方法
2-1.摂取量の目安
2-2.食事での摂取
2-3.サプリでの摂取
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1.亜鉛の効果
体作りに大切なミネラルとされる亜鉛ですが、その効果について順番に見ていきます。
1-1.亜鉛とは?
亜鉛とは、人が健康を維持するために必要な栄養素です。
亜鉛は、主に骨格筋・骨・皮膚・肝臓・脳・腎臓などにある成分で、免疫力にも影響します。
タンパク質や細胞の中にある遺伝物質を合成するために使用されるため、亜鉛は体に必要です。妊娠中の方や、乳幼児にとっても、十分に成長・発達するために亜鉛大切な栄養素です。
この亜鉛は体内で作り出すことができないため、食事から摂取する必要があります。
不足するとさまざまな症状を起こすことがあります。逆に(なんでもそうですが)過剰な摂取も問題を起こす可能性があるので、食事を中心に正しく採っていきたいですね。
日本人にとっては不足しがちな栄養素の一つでもあります。
1-2.不足するとどうなるか
国が行った国民健康・栄養調査において推奨量を下回っているとされていますが、大きく不足するとどういった影響が出るか代表的なものを紹介します。
・味覚障害
亜鉛は舌にある味蕾の新陳代謝がを促しており、不足すると味覚障害が起こることがあります。
・免疫力の低下
不足すると免疫力が低下し、肺炎などの感染症にかかりやすくなるとされています。
感染症だけではなく自己免疫疾患への関わりもわかっています。
・爪や皮膚の異常
亜鉛は皮膚や粘膜、爪の状態を良好に保つのに役立つため、爪や皮膚の以上に関係すると考えられています。
・成長障害
亜鉛は細胞分裂・細胞増殖に不可欠なミネラルです。タンパク質や細胞の中にある遺伝物質を合成するのにしようされるため、亜鉛欠乏により乳幼児や子どもでは成長障害を起こすことがあります。
1-3.日常生活における効果
不足するとどうなるかの裏返しになりますが、以下のような効果があると言われています。
・免疫力の向上
・成長と発育への効果
・髪や肌の健康維持
・抗酸化作用によるアンチエイジングや生活習慣病予防の効果
亜鉛が人間のもつ免疫力を強化するため、感染症に対する免疫力を上げてくれます。風邪のひきはじめに亜鉛を摂取すると風邪をひく期間が短くなるという報告もあります。これからの季節はとくに風邪も引きやすくなるので、意識して亜鉛を摂るようにするといいですね。
風邪予防をしておいて、免疫力を上げておけば結果的にインフルエンザなどの感染症に対しても対策できるので、子を持つ親である私も個人的に普段の食事や、風邪ぽい時はサプリを併用するなど意識的に摂取しています。
余談ですが、風邪予防という観点ではビタミンCは効果がないそうです。
風邪といえばみかんを与えられていたのはなんだったのか…。
1-4.トレーニングにおける効果
タンパク質の合成に必要と言う時点で効果がありそう感がありますよね。
体内に十分な亜鉛の量が貯蔵されていると、傷ついた筋組織の修復、及び新陳代謝に効果を発揮します。
トレーニングは体に負荷を掛けて、壊れた筋肉を修復して強くするの繰り返しですから、トレーニーにとっても亜鉛は非常に大切な栄養素です。
また亜鉛は汗の中に多く含まれており、発汗量に比例して体外へ流出する量も増加しますし、運動強度が高くなるほど、亜鉛の体内消費量は増加する傾向にあります。
トレーニングを行う人は、筋組織の破壊によって免疫力が低下しがちですから、体調管理の意味でも意識的に亜鉛を摂取するといいいと思います。
2.亜鉛の摂取方法
摂取量の目安
厚生労働省による目安は以下の表の通りです。
現代の多くの日本人の食生活だと推奨量を下回ることが多いため、運動量や生活習慣に合わせて調整するイメージです。
亜鉛の食事摂取基準(mg/日) | ||||
年齢 | 推奨量 | 耐用上限量 | 推奨量 | 耐用上限量 |
1~2歳 | 3 | – | 3 | – |
3~5歳 | 4 | – | 4 | – |
6~7歳 | 5 | – | 5 | – |
8~9歳 | 6 | – | 5 | – |
10~11歳 | 7 | – | 7 | – |
12~14歳 | 9 | – | 8 | – |
15~17歳 | 10 | – | 8 | – |
18~29歳 | 10 | 40 | 8 | 35 |
30~49歳 | 10 | 45 | 8 | 35 |
50~69歳 | 10 | 45 | 8 | 35 |
70歳以上 | 9 | 40 | 7 | 35 |
妊婦(付加量) | +2 | |||
授乳婦(付加量) | +3 | |||
*出典:厚生労働省、日本人の食事摂取基準2015 |
食事での摂取
肉類、牡蠣、うなぎ、納豆などに多く含まれます。
肉をしっかり食べる食生活の方は不足しない可能性が高いです。
逆に一般的な日本人によくある炭水化物多めの食生活の場合、不足している可能性が高いので、意識的に多く含まれる食べ物を採ったほうが良いですよ。
コンビニご飯やレトルト食品など亜鉛の吸収を妨げるポリリン酸・リン酸塩などの食品添加物が含まれている食事の量が多い方や、アルコールの摂取量が多い方も不足している可能性が高いので、注意が必要です。
サプリでの摂取
亜鉛も取ればいいというものではありません。
過剰摂取をすると吐き気や嘔吐、下痢などの症状を起こす他、、1日あたり100㎎の亜鉛サプリメントの毎日の摂取、または10年間以上の摂取は、前立腺がんリスクを増加させる可能性があるという報告もされています。
食事からの摂取を基本に、それでも食生活に不足している分を補ったり、風邪のひきはじめだけ補助的に使ったりといった使用方法が良いかと思います。