大ベストセラーとなった名著「嫌われる勇気」のポイントを簡単に説明します。

アドラー心理学の要点に的を絞って、そのヒントをなるべく簡潔に共有します。

アドラー心理学もよく取り上げられるようになり、本が出たころより有名になっていますね。

詳細な解説記事なんかも多く出ているので、色々と参考にして自分の中に取り込むといいと思います。
今回は簡潔に要点だけでいきたいと思います。

<目次>
アドラー心理学のポイント
アクションプラン

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アドラー心理学のポイント

アドラー心理学によると、全ての悩みの原因は対人関係にあるとされています。
その捉え方を変え、自身の行動を変えることで、自分の人生を生きて幸せになる指針を得ます。

ポイントは以下の3点です。

①承認欲求
②競争意識
③自分と他者の課題の混合

①承認欲求

一番の問題ともいえる、承認欲求です。本のタイトルである嫌われる勇気にもつながるものです。

承認欲求というのは人に認められたいという欲求です。

なぜこの承認欲求が危険かというと、この承認欲求に支配されたままだと、人生の全てが他者に認めてもらうためだけに過ごすものとなってしまうからです。

人に認められたいから仕事をするとか、親や先生にほめられたいから勉強するなど、他者の期待に応えることがゴールになってしまう経験は誰しもがあるのではないでしょうか。

承認欲求の行き着く先は、世間体ばかり気にかけ、自分の本当にしたいことも分からなくなり、結果自分らしさや幸せから離れた生き方になってしまいます。

言われてみれば当たり前に聞こえますが、自分の人生は他者の期待に応えるためにあるのではありません。
本書ではユダヤ教の教えを紹介しています。

「自分が自分のために自分の人生を生きていないのであれば、いったい誰が自分のために生きてくれるだろうか」

アドラー心理学では、このように承認欲求によって人生が不自由になるなら、他人から好かれようとしない=嫌われても良い、という勇気の大切さが教えられています。

②競争意識

人生が競争でないことを理解することの大切さが教えられています。

多くの人にとって、人間関係は競争意識をベースにした上下関係で捉えられおり、他者との比較で、上にいることで安心感を得て、人より下にいることで恐怖を感じるようになります。

競争には常に勝者と敗者があるため、人関関係に競争意識を持ち込むと、自ずと他人を敵と見なすようになってしまい、気付いた時には周りは敵だらけという状態になってしまいます。この先にあるのは孤独です。

人間は年を重ねれば老いていくわけで、世代が変われば勝ち負けの基準も変わります。

人生を通じて勝ち続けるということは不可能で、競争意識を持ち続けたままだと、いずれは敗北を味わい、そして他者に対する劣等感に苛まれ幸せから離れてしまいます。

③自分と他者の課題の混合

課題の分離を正しくおこえていないことが多いとされています。
自分の課題と他者の課題を明確に分離し、他社の課題には踏み込まないことが大切です。

自分の課題は、自分が信じる最善の道を選ぶことだけであり、それを他者がどう評価するか、承認してくれるかどうは他者次第で自分にはどうすることもできません。

そもそも他者が自分のことをどのように評価するかということは他者の課題ですから、それ自体に無関心になるべきであると教えられています。

アクションプラン

アドラー心理学のポイントを踏まえ、アクションプラントしての要点は以下の3点です。

①承認欲求と競争意識を捨てる
②課題の分離の徹底
③他者に貢献する

①承認欲求と競争意識を捨てる

承認欲求や、競争意識をベースとした考え方からは「生きづらさ」しか生まれて来ません。
そのような承認欲求や競争意識は、自分の価値基準から取り除きましょう。

承認欲求や競争意識といった価値基準を取り除いた上で、嫌われる勇気を持って自分らしさを磨きます。

アドラー心理学では向上心を否定しているわけではありません。
より良くしようという欲求は人間の本能でもあります。

他者との比較ではなく、理想の自分との比較で生まれる「健全な劣等感」をもち、その健全な劣等感を解消するためにエネルギーを費やします。

なので、思い描く理想の自分との一対一での対話を人生の中に取り込むことが推奨されています。

 

②課題の分離の徹底

他者と自分との課題の分離を徹底して行います。

他人を変えることはできないから、他者の課題には介入しない、逆に他者が自分をどう思うかも他人次第で自分にはどうすることも出来ないのだから、そもそも気にしない=別に他人に嫌われても良いというスタンスにつながります。

要するに、嫌われても良いと思えるのは、他人と自分との課題の境界線をはっきりと見極められている証拠なのです。

他人の目を気にする必要も、他人の期待に応えようとする必要もなく、大切なのは自分の理想という自分の課題と真剣に向き合うことが大切です。

そうすれば、必然的に他者はともに自分が描く理想というゴールを目指す仲間となります。

③他者に貢献する

人は何らかのコミュニティーに参加します。
そして、そのコミュニティーに居場所があることが幸福感につながり、その輪から外れれると孤独を感じることになります。

コミュニティーでの価値を感じるには、承認欲求と他者貢献がありますが、上述の通り承認欲求では本当の幸せに近づけません。

なぜなら、仲間外れにならないために、競争をして存在を示し、他者の承認を求めるのは、結局の所人の評価に怯えていてるだけだからです。

コミュニティに対して無条件の貢献を行っていくことで、そのコミュニティの中で自分は意味ある存在であるという貢献感を養うことが出来ます。

アドラー心理学では、幸福を貢献感と定義し、人への無条件の貢献が、幸福につながるとしています。

偽善でなく、承認欲求や競争意識にとらわれず、共に理想を目指す仲間とともに、人やコミュニティーに貢献できていることが、自分の価値の実感となり、本当の幸せに至るわけです。