人に何かを伝えるとき、特に仕事の場面なんかでは何かアクションを起こしてもらうことを目的としているのではないでしょうか。
そんなときに使える、相手からの承諾を得やすい話し方について、説明します。
営業の方なんかだと「YESセット」を聞いたことがあると思います。
「スモールYes、ビックYes」なんてのもありますね。
ようするに相手が同意をしやすい状況を用意してあげることです。
もちろん、何でもかんでも相手にYesと言わせる魔法ではなく、前回の話す技術 メンタルモデルの活用と同様に、話す相手にしっかりと納得感をもって聞いてもらい合意を得るための方法です。
営業などの場面だけでなく、社内での調整や同僚への依頼なんかでも使えると思います。
・一貫性とコミットメント
・話す技術としての活用方法
・まとめ
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一貫性とコミットメント
「Yesセット」あるいは「スモールYes、ビックYes」では、小さなYes(同意)を積み重ねて、最終的な期待するアクションに対しても、Yesといってもらうのが目的です。
その背景には人間の心理が作用しています。
人には一貫性と言われる性質があります。
自分の言葉や考えを一貫したものにしたい、そして他者からそう見られたいという欲求があるわけです。
一貫性があると、以下のような効果があります。
・社会から評価される
・日常生活に順応しやすい
・考えること(選択すること)を減らせる
そのため、日常生活においてはメリットがあります。
その性質があるために、ひとたび決定を下したり、ある立場を取ると、ようするにコミットすると、自分の内からも外からも、そのコミットメントと一貫した行動を取るよう圧力がかかります。
そうすることで、自分の決断を正当化できるからです。
なので、場合によっては決定に固執し、その正しさを示す新しい理由や正当化を付け加えさえもします。
これは、自分の決定に対する満足度を上げることにもつながるので、必ずしも悪いわけではありません。
小さなYesを積み重ねる話し方は、この一貫性とコミットメントを利用して、最初のコミットメントを引き出し、承諾を引き出すことを目指します。
少し脱線しますが、利用するというと、なんだか悪徳商法のように思えてきますが、あくまで相手に理解してもらうためのコミュニケーションの手段です。
逆に言えば、この人間の性質を知っておけば、不要なトラブルに巻き込まれることを避けられるかもしれませんね。
話す技術としての活用方法
Yesセットで代表的なものは、分かりきった同意やバックトラッキング(オウム返し)があります。
分かりきった同意というのは、「今日はいいてすね? そうですね。」のやつです。
バックトラッキングは、「週末何されてたんですか? 実家に帰ってました。 実家に帰ってたんですね!」とか
ちょっと要約するパターンで
「最近なんか困ってないですか? 〇〇が〜で悩んでたり、あとXXがほげほげで困ってるんですよね。 なるほど、〇〇とXXで困ってるんですね!」
とか、こんな感じです。
今回は、個別の話し方よりも、もう少し抽象度を上げて色々なケースで汎用性があるように説明します。
●相手の論理を把握して、一緒に考える
●相手の意見(決断)を巻き込む
●結果小さなYesを積み重ねる
●相手の論理を把握して、一緒に考えながら話を進める
メンタルモデルの話と同じですが、話す側の論理と聞く側の理解と論理が同じとは限りません。
というか、だいたい異なるでしょう。
途中途中で小刻みに理解の確認をすることで、相手の論理を把握して、相手に合わせて話を進められるようになります。
ほぼこれで、目的の半分は達成している状態と言えます。
●相手の意見(決断)を取り込む
相手の判断を要所要所で確認することで、相手の思考を味方につけます。
小さく確認をとって相手の発言の余白を残すことで、相手の意見として積極的に取り入れることができるわけです。
小さなYesの布石ですね。
決して、自分の意見を押し通すことや自分が正しいことを示すことが目的ではないので、相手の思考に則って進めゴールを目指します。
●結果小さなYesを積み重ねる
まさしく一貫性の原則で、相手の論理に合わせて話しを進め、相手の決断(判断)をまじえて、小さなYesを積み重ねます。
結果、相手にとっても納得感のある形で承諾を得ることができるでしょう。
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まとめ
最後に、アクションプランとしてまとめます。
①会話では細かく理解を確認する。
ここまでの内容で、一方的に話し続ける人はいないと思いますが、相手の理解を逐一確認しましょう。
質問をして確認しながら進めるか、しっかりと間をとって余白を作ります。
②すぐに自分の話をしない!相手の質問出し切ってももらう。
相手の論理を把握して、そのキャッチアップした内容をもとにYesを積み上げることが必須です。
そのためには相手の論理を優先。
前提として、相手の疑問を解消することを最優先しましょう。
③1人が長時間話し続けない
これはグループで行う場合ですが、これやっちゃだめですよ。
ついうっかりで、良かれと思ってやりがちなので気をつけましょう。
無用なコンフリクトや誤解を避け、気持ちのいい合意を目指しましょう。それでは!